「うるせえっ! もきゅもきゅ言うの禁止だ! わかったかモルダーこの野郎!!」
モーテルのベッドに横たわるモルダーは、微かに笑った。隣ではエイプリルが静かな寝息を立てていた。
「…本当に、もきゅっって何だったんだろうな」
そう呟くと、モルダーはゆっくりと目を閉じ、薄暗いモーテルのベッドの上でFBI仮眠室での出来事を思い出していた。
・
・
・
「いい加減にしろモルダーこのやろう!FBIの神聖な仮眠室に、お前の陰謀論と妄想を持ち込むんじゃねえよ!」
年配のブライツ捜査官が怒鳴り、仮眠室にいた捜査官たちが一斉にモルダーを睨んだ。
周囲の捜査官たちが一斉に顔をしかめ、寝ぼけ眼でこちらを睨んでいた。
「ちょっと待ってくれ、これはただの夢じゃない。もきゅっ…いや、違う、僕は確かに何かを見たんだ!」
モルダーが必死に説明しようとすると、さらに怒号が飛んできた。
「うるせえっ!お前のクソみたいな夢の話に付き合わされるこっちの身にもなれ!」
「頼むから黙れモルダー!」
その瞬間、四方八方から枕が飛んできた。モルダーは咄嗟に身をよじったが、枕の雨は止まらなかった。
次第に、それは抗議の枕投げから、FBI捜査官たちの間の単なる枕投げ大会へと発展していった。
「もきゅもきゅ言うな!禁止だ!」
誰かが叫んだ。
モルダーは布団に顔を埋めながら、寝不足の目を閉じた。
「FBIも堕ちたもんだ…」
—
モーテルのベッドに横たわりながら、モルダーは微かに笑った。エイプリルはすでに眠りについていたのか、静かな寝息を立てていた。
「…本当に、もきゅっってなんだったんだろうな」
モルダーは呟くと、再び目を閉じた。